就業管理:法定外残業

2022/01/19

法定外残業について解説します。

法定外残業

法定外残業は、法定労働時間である「1日8時間」「週40時間」を超える時間であり、これを超えて労働するには労働基準法36条に基づく労使協定(36(サブロク)協定)の締結・届出が必要です。

1日の法定外残業

1日の法定労働時間の8時間を超えた時間です。
例えば、以下のように所定労働時間が9:00~17:00(休憩が12:00~13:00)の7時間で、9:00~20:00の10時間勤務した場合、17:00~18:00の1時間が法定内残業となり、18:00~20:00の2時間が法定外残業となります。

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週の法定外残業

週の法定労働時間の40時間を超えた時間です。
例えば以下のように勤務した場合、1日の所定時間は7時間ですので、週の所定労働時間は月曜~金曜で7時間×5日で35時間となり、週の法定労働時間は40時間ですので、週の所定労働時間(35時間)を超えて週の法定労働時間(40時間)までの5時間が法定内残業となり、残りの4時間が週の法定外残業となります。
火曜と水曜の法定労働時間(8時間)を超えた時間は1日の法定外残業となりますので、週の法定外残業からは除外します。

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法定外残業の上限

法定外残業には上限があります。

法律による上限
(原則)
法律による上限
(特別条項/年6回まで)
月45時間
年360時間
月100時間未満(※)
2~6か月平均80時間(※)
年720時間
※法定休日労働時間を含む

原則、月45時間、年360時間となりますが、特別条項として年6回までこれを超えて勤務することができます。
ただし、特別条項の上限を超えると法律違反となります。
注意点として※印の上限については法定休日労働時間も含みます。よって、例えば月の法定外残業が45時間であっても法定休日労働時間が55時間あれば100時間となり法律違反となります。

割増率

法定外残業の割増率は時間数により変わります。

法定外時間 割増率
月60時間まで 125%
月60時間を超える時間 150%

月60時間までは125%、月60時間を超える分は150%で、これを下回ることはできません。

まとめ

法定外残業は、法定労働時間を超えた時間となります。
1日の法定外残業と週の法定外残業の合計が月の法定外残業となり、法律により上限が定められており、これを超えると法律違反となります。
割増率についても月60時間までは125%ですが、月60時間を超える分については150%となります。