コンタクトセンターにおける問題解決能力と思考法
コンタクトセンターに連絡を入れる顧客は、何らかの問題を抱えている状況で助けを求めているケースが殆どです。
顧客の抱えている問題を解決するためには、状況把握・適切な解決策を伝える必要があります。
今回は、問題解決の考え方について一部紹介します。
問題解決の基礎
コンタクトセンターの業務達成とは、顧客の抱えている問題を解決することができたことで達成となります。
改めて「問題」とは何かについて考える必要があります。
問題の定義
問題とは本来あるべき正しい状態が、現状は異なっている状況のことをいいます。
例えば設備の起動ボタンを押しても運転が開始しない状況や、決められた手順を行ってもシステムが立ち上がらなかったなど、想定と異なる状況が発生していることを総称して問題と呼びます。
問題解決とは
本来あるべき姿と異なった状況を、本来あるべき姿に修正することを問題解決といいます。
コンタクトセンターへ電話をする顧客は、何らかの問題を抱えた状況になっており、その状況を解決したいと求めて連絡するケースが殆どです。
そのため、顧客の抱えている問題とは何かを正しく理解し、解決するための解決策を提示していく必要があります。
様々な問題をリアルタイムで状況を判断しないといけないため、問題解決のスキルを常に向上させるトレーニングが必要となります。
問題解決に向けた動きについて
問題解決するためには、一連の流れに沿って状況を把握していき、その解決方法を提示していくことになります。
一連の流れは以下の通りになります。
①問題を特定する
まず最初に発生した問題と状況について事実を確認します。
問題を明確にするため、「何が」「どのような」問題なのか具体的に確認します。
また発生している問題が及ぼす影響を考えて、緊急性や重要性についても確認が必要です。
②問題が発生した原因を調査・分析をする
問題が発生した原因について、調査・分析を行います。
原因について、「なぜ」を繰り返して真の原因を特定します。
問題の原因が複数の要因による場合もあるため、想定した原因により問題が本当に発生するのかどうかも分析を行います。
過去に同じ事例が無いかについても確認することが大切です。
③解決策を立案し、実施する
問題を発生させた原因に対する解決策を考え、実施をします。
解決策は、一時的に回避する「応急処置策」と、発生した原因を根本的に解決する「予防策」があります。
顧客への影響を確認しながら解決策を判断して提示します。
例えばサーバ機が故障した際、「応急処置策」は予備機を稼働させて業務ができる状態にすることが該当し、「予防策」はメーカ手配し、故障したパーツを交換してサーバ機を復旧させるといったことが該当します。
④実施した結果を確認し、記録する
実施した解決策にて問題が解決されたのかどうかを必ず評価します。
解決策の効果、有効性について全て記録を残して、次の問題解決に生かすことが大切です。
様々な思考法
電話対応では、内容が正しいか、何を訴えているのか、どう話せば理解してもらえるかを考えながら対応することが大切です。
相手に理解してもらえるように説明が必要で、客観的に見ても説明内容に矛盾が無いか、妥当性があるかも考える必要があります。
そのため、状況を論理的かつ構造的にとらえる必要があり、以下のような様々な思考法を用いて対応していく必要があります。
論理的思考(ロジカルシンキング)
論理的思考(ロジカルシンキング)とは、解決策に対して一貫して筋が通っているかどうか、結論の根拠を組み立てる思考法です。
顧客に対して、解決策だけ説明しても相手から納得や理解を得ることが難しいことがあります。
解決策を提示するに至った結果の理由や根拠について説明することで、相手が理解して納得を得ることが可能となります。
相手に理解してもらえる説明を行うため、必須のスキルとなります。
批判的思考(クリティカルシンキング)
批判的思考(クリティカルシンキング)とは、解決策の提示することに対して理由や根拠について、矛盾が無いか、推測は本当に正しいのか、過去の経験がこの問題に利用ができるかどうかなどを客観的に考える思考法です。
本当にこの解決策で問題が無いのかどうか、客観的な考えを問い続けて本当に正しいかどうか突き詰めていくことで気が付かなかった解決策を得られたり、考える癖がつくようになります。
創造的思考(クリエイティブシンキング)
創造的思考(クリエイティブシンキング)とは、今までの事象にとらわれず、新しい発想を導き出し解決策を探す思考法です。
問題解決に行き詰まった場合に、改めて状況を見直して過去の事例や経験にとらわれずに別の視点から解決策を検討することで、固定概念にとらわれず自由な発想で新しい解決策を導く思考法となります。