物流情報機器について – 「2.サーバー」
WMSのサーバーはセンター全体を管理・統括する非常に重要な役目をになっています。物流センターや大規模工場などでは、24時間365日フル稼働も要求され、ハードウェア障害、ソフトウェア障害発生しても動き続ける必要があります。大別すると2種類の方法がとられています。
●フォールトレラント(FT)
CPU、ハードディスク、メモリ、電源ユニット、ネットワークボードなど重大な支障をきたすデバイスを全て二重化しておく方法です。片方のデバイスが故障しても運用継続でき、運用継続しながらメーカー作業員による故障部品交換可能なものもあります。実際は部品交換中のシステム停止などの二次被害を避けるため、システム停止時間を計画して修理したり、年1回や数回の工場全体の計画停止期間に部品交換を実施します。ソフトウェアはどのハードウェア部品が二重化されているかを意識せずに開発することができますが、ソフトウェア障害(アプリケーションによるシステム停止)は回避できません。
●クラスターシステム
2台以上のサーバーを1台の仮想サーバーとして運用することで、ハードウェア障害やシステム障害に対処する方法です。物流現場では通常、2台のサーバー間に共有ディスクを設け、1台目には本番系システム、2台目にはと待機系システムを配置する方法が取られます。本番系システムでハードウェア障害やソフトウェア障害が発生した場合、待機系システムに切り替えを行うことで運用継続できるメリットがありますが、ソフトウェアはハードウェア構成を意識して開発する必要があり、開発コストがかかります。
最近では上記を補強するサービスとして、遠隔監視システムを用いたハードウェア障害監視も行われています。インターネットや公衆回線を使用して、サーバーの部品故障を検知したり、寿命部品がまもなく故障する可能性があることを通報するネットワークサービスも用いられています。