電話回線の種類
インターネットが普及し、今ではデータ通信や音声通信が当たり前の時代になりました。
時代は日々変わっていくものですが、コンタクトセンターの業務では今でも電話による対応が大半を占めています。
回線には「アナログ回線」「デジタル回線」「光ファイバー回線」と呼ばれるものがあります。
今回、各回線の特徴を紹介します。
なお、NTTの発表ではアナログ回線・デジタル回線の利用者減少と設備機材の枯渇が見込まれており、2024年8月31日にて新規申込受付が終了し、2028年12月31日でサービス提供を終了すると発表しています。
アナログ回線
アナログ回線は、銅線を使って音声をアナログ信号に変換して送受信することで会話を行います。
銅線には電流が流れており、電子の振動によって音声通話する仕組みになっています。
回線の種類としては、発信の時にパルス信号で相手先電話番号を識別する「ダイヤル式」とトーン信号で識別する「プッシュ式」があります。
「ダイヤル式」が特徴的な電話は、黒電話と呼ばれているものです。
これは番号ごとにダイヤルすることで、ダイヤルパルス信号が送出されて割り振られた瞬断回数を読み取ることで電話番号を認識します。
「プッシュ式」は数字のボタンを押して電話をかけるタイプになります。
ボタンを押すとトーン信号が送出され、番号ごとに異なる周波数が紐づけされており、番号を音として送出したトーン信号を電話機が読み取って電話番号を認識します。
「プッシュ式」には「ダイヤル式」で使用できなかった[*]や[#]が利用できるのが特徴です。
なお、今の電話機ではスイッチや(*)ボタンによってパルス信号、トーン信号と切り替えが可能なため、「ダイヤル式」「プッシュ式」と特に回線にこだわる必要はないと思います。
デジタル回線
音声をデジタル信号に変換して送受信することで会話を行う回線をデジタル回線と言います。
音声を[0]と[1]のデータに変換して銅線で送信して音声通話する仕組みになっています。
名称ではISDN回線とも呼ばれています。
代表的なデジタル回線としては「INS64」「INS1500」などがあります。
「INS64」では1回線で2回線分を利用することができます。
「INS1500」では1回線で23回線分を利用することができるため、コンタクトセンターで利用されます。
光ファイバー回線
アナログ回線やデジタル回線は、信号を電気に変換して送受信しています。
光ファイバー回線は石英ガラスやプラスチックでできた光を通すケーブルで、光の反射や屈折を利用してデータを転送します。
俗にいうインターネット回線と呼ばれるもので、距離やノイズの影響を受けにくく品質の高いのが特徴です。
最も高速に移動するのが「光」なので、光ファイバー回線は多数の電話回線が必要なコンタクトセンター向けの回線とされます。
代表的な光ファイバー回線として「IP電話」「光電話」があります。
「IP電話」は電話加入権を購入する必要がありません。インターネット環境があればすぐに利用が可能です。従来の[03]や[06]などの市外局番ではなく、[050]から始まる11桁の番号が付与されます。
「光電話」は電話回線業者が提供しているサービスで、従来の[03]や[06]など市外局番から始まる番号が付与されます。
注意事項として「光電話」ではフリーダイヤル[0120]や緊急ダイヤル[110][119]に発信可能ですが、IP電話では発信できない特徴があります。
「光電話」にも伝言ダイヤル[0170]などの一部特殊番号への発信ができないものがあります。