コミュニケーションツール:メール
手軽で便利な電子メールは、主要なコミュニケーションツールとなっています。マナーやルールを守り、上手に活用しましょう。
電子メールの長所、短所
【長所】
・文書、画像、動画、音楽を送ることができる。
・相手が都合の良い時に読んでもらえる。
・複数の人に同時に情報を伝達できる。
・記録が残る。
【短所】
・相手がメールを開かない限り伝わらない。
・気持ちが伝わりにくい。
・情報の漏洩やウイルスに感染するリスクがある。
・本人になりすまして、送受信することができる。
電子メールの基本
電子メールの書き方は、ビジネス文書とは異なります。作成のポイントを確認しましょう。
・「宛名→名乗り→はじめの挨拶→本文→結びの挨拶→署名」の順に書く。
・書き出しは、1文字空けない。
・ビジネスメールでは、絵文字・音符文字を使用しない。
・「拝啓」「敬具」などの頭語結語、時候の挨拶は書かない。
・読みやすく、簡潔に書く。
TO、CC、BCCの違い
メールを送信する時には、TO、CC、BCCのいずれかに相手のアドレスを入力します。それぞれの特徴を理解し、使い分けましょう。
TO | メールの主たる受信者。原則は1名が望ましいが、複数のメールアドレスを入力することもできる。 |
CC | カーボン・コピー(Carbon Copy)の略。メールの内容を参考までに共有したい相手を指定する。 |
BCC | ブラインド・カーボン・コピー(Blind Carbon Copy)の略。TO、CCの相手に知られたくない時や、お互いに面識のない複数の人へ一度にメールを送る場合に使用する。 |
HTML形式とテキスト形式
電子メールの形式には、HTML形式とテキスト形式があります。ビジネスでは、テキスト形式を使用するのがマナーです。
HTML形式 | 文字を大きくしたり、太字にしたり、色を変えるといった装飾ができる。但し、相手がHTML形式に対応しているメールソフトを使用していないと、装飾が反映されない。 |
テキスト形式 | 文字のみで作成され、装飾ができない。相手がどのメールソフトを使用していても読むことができる。 |
ファイルの添付
本文以外の文書や画像を送る時は、ファイルを添付します。添付する時の注意事項を押さえましょう。
・ファイルを添付していることを本文に書く。
・パスワード付きのファイルを添付する際は、ファイルとパスワードをいっしょに送らない。
・容量の上限は、一般的に、2MB。それより大きいサイズのファイルを送る時は、相手に送り方を確認する。
・複数のファイルを添付する時は、1つのフォルダに入れて圧縮したものを添付する。
大容量の多数ファイルを添付したい場合は、ファイル転送サービスやオンラインストレージサービスを併用する。
返信と転送
(1) 返信
返信には、「返信」、「全員に返信」があります。件名には、「Re:」と表示されます。
・返信 ・・・ 送信者のみに返信される。
・全員に返信 ・・・ 送信者だけでなく、自分以外の「TO」や「CC」の人へも返信される。
(2) 転送
送信者から届いたメールを第三者に送ることを「転送」といいます。件名には、「Fw:」、「Fwd:」と表示されます。転送する時は、次のマナーを守り、慎重に行いましょう。
・送信者の許可を得る。
・送信者へBCCで送る。
・転送する目的や意図をはじめに書く。
・原則として、原文を修正しない。
迷惑メール対策
無作為に送られる迷惑メールを減らすには、次のような対策が有効です。
・簡単に類推できない複雑なメールアドレスにする。
・通信会社等が提供する迷惑メール対策サービスを利用する。
・ウイルス対策ソフトに付属する迷惑メール対策機能を活用する。
・迷惑メール相談センターに連絡する。
ウイルス対応
(1) ウイルス対策
パソコンやスマートフォンがウイルスに感染すると、ファイルやデータを勝手に削除されたり、操作が不能になったりすることがあります。日頃からしっかり対策をしておきましょう。
(2) ランサムウェア対策
近年被害が多くなっているウイルスの一種です。身代金要求型ウイルスと呼ばれ、パソコンの操作やパソコン内に保存されたファイルを人質に取り、元に戻すことを引き換えに金銭を払うように要求してきます。しかし、要求に応じても元に戻らないばかりか、個人情報が漏洩するため、被害が拡大します。侵入元は、迷惑メールやWebサイトです。ウイルス対策ソフトを利用していても、完全に防ぐことができないため、注意が必要です。
ID・パスワード
(1) ID・パスワードの管理
フリーメール、SNS、会員制登録サイトを利用する際には、ログインIDとパスワードが必要です。IDとパスワードの管理方法を知っておきましょう。
・サービスごとに異なるIDとパスワードを設定する。
・各サービスのIDとパスワードごとに別々の紙に記録して保持する。
・他者には分からない書き方で記録する。
(2) パスワードの設定
パスワードは、英数字の大文字、小文字、記号を組み合わせ、意味を持たない8文字以上の文字列にします。組織にパスワード付与ルールがあれば、それに従います。一方、次のような文字列は、パスワードには適していません。
・誕生日、住所などの容易に類推できるもの
・辞書に載っている単語
・有名人やキャラクターの名前
・キーボードを順に押すことでできる文字列
・8文字未満の文字列
フリーメールの特徴
フリーメールは、GoogleやYahoo!などで提供されているEメールサービスです。主に次のような特徴があります。
・利用登録を行えば、誰でも無料で使用できる。
・自宅、外出先、移動中など、場所を選ばずに送受信できる。
・Webブラウザ、アプリを用いて操作する。
・高度なセキュリティが備わっているとは限らないので、情報漏洩のリスクがある。